私の兄は、アイドルです。
私を見てまるでバカにしたみたいに笑う澪の声と……
そんな私を見て、
何を考えてるのか分からない笑みで微笑んでるお兄ちゃんを見て……
……遂に、イライラがピークに達した。
「だからぁ……もうっ!
もう……2人で勝手に仲良くしてたら!?
私夕飯の買い物行ってくるから!じゃあねっ!」
2人に半ば吐き捨てるようにそう言い切ると、
私は急いで財布を持ってウチから飛び出した。
制服のままだけど……
……そんなのどうでもイィくらいに、
心の中はイライラしてたんだ。
羨ましいなんて
嫉妬なんて
悲しいなんて。
いちいちそんなの思ってたら、
キリがないのに。
バカじゃん?私。
分かってる。
分かってるのに……
2人が笑い合ってるのを見てると、
どうしようもないくらいに苦しい気持ちになるの。
――ねぇ、お兄ちゃん。
私を好きだとは言ってくれたけど
キスしてくれたけど。
やっぱり、
不安で不安で仕方ないの。
アナタの真意が分からない。
アナタは一体……
何を考えてるんですか……?
―――――