私の兄は、アイドルです。
「だって。
俺の事で音遠が妬いてるなんてさ、めちゃくちゃ嬉しかったから。
つい意地悪したくなったんだ
それに、全部本当の事だろ?」
「……っ、……バカ」
笑いながらそう呟くとほぼ同時に。
「……んっ……」
……私の唇に、
熱くて甘い
キスが降ってきた。
触れるだけの、キスは。
甘くって、柔らかくて。
だけど
熱くって、ドキドキして。
あぁ、やっぱりお兄ちゃんが大好きだ……
って、心の底から思えるの。
幾度と無く降り注ぐキスの雨は、なかなか止まない。
それどころか……
「んっ……」
ドサッという音と共に、
私の体がソファに倒され。
――今度は、噛み付くような激しいキスに変わった。
角度を変えながら、
まるで食べられるんじゃないかっていうくらいのキスは。
私の思考回路をいとも簡単に停止させる。
激しくって、でも優しくて。
心も体も、トロトロに溶けていきそうになる。
……この行為が、
卑しい行為だなんて。
……近親相姦の入り口だってコトなんて
どうでもイィくらいに、
幸せだ。