私の兄は、アイドルです。
 



――2時間後。



春サンの手には、
可愛く包装されたプレゼントがあって。





「いやぁ、助かった!
いつもありがとうな音遠!」



私にお礼を言いながら、
ニコニコと街を歩く春サン。




「いえいえ!妹ちゃん喜ぶとイィねぇ♪」



そんな春サンにつられて、
私もニッコリと微笑んだ。




……春サンの“デート”っていうのは、
どうやら妹ちゃんの誕生日プレゼントに何を買ったらいいのか分からなかったらしくて。


私に、女の子の意見を聞きたかったんだってさ?



以前にも、コンサート前日に一緒に買い物したしね!


この2時間、悩みまくってプレゼントを買ったんだっ




っていうか……


“デート”って言われてドキドキした自分……


マジで痛いな……汗



私なんて大したこと無い普通の女なのに……

自意識過剰も良いとこだよね。

ホントに。



春サンって……

7歳になる妹ちゃんの事が、本当に可愛くて仕方ないんだろうなっ!




そんな事を考えながら歩いていると、
大きな交差点に差し掛かり。



歩行者信号が赤だったから、
私達は立ち止まった。




 
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