私の兄は、アイドルです。
「で、何。何か俺に話あんだろ?」
全てを見透かしたような瞳で、
そう言ってきたんだ……
──いつも、こう。
本当に……
ズルい男だよ、バカ兄。
昔っから……
私の考えとか企みなんか、ビックリするくらいに全部お見通して。
まぁ、そんだけ私を気に掛けてくれてるんだろうけど……
……なんか、ズルい。
私なんて……
お兄ちゃんの事、
なんにも分からないのにさ?
──観念(?)した私は、
正直に白状(?)する事にした。
……ま、観念とか白状とか……
最初から言うつもりだったんだけどねっ!
「あのね……?
……お兄ちゃんの……
ソロデビューの事なんだけど……」
少し恐る恐る話し出すと……
「はぁ……
……あぁ、それか」
溜め息を吐いて、
なんだか面倒くさそうにそう答えると
ドサッとソファに座った。
この調子だと軽く流されそうだと感じたから、
とっさにお兄ちゃんの隣に座った私。
そして──詰め寄った。
「ねぇ、どうしてこんなに急に決めたの?」
私のその言葉を聞いたお兄ちゃんは。