私の兄は、アイドルです。
そう言ったと思ったら──
──いきなり、ソファに押し倒されたんだ。
両手首をその大きな左手で掴まれ、
太ももの間には片足を入れ込まれる。
一瞬にして……
身動きが、取れなくなった。
っていうか、何!?
一体どうしたっていうの!?
「んだよ、好きなんだろ?俺の事」
驚く私をよそに、
見上げた先からそう言ってきたから。
「……それはっ……そうだけど……っ」
私は、とっさに肯定した……
んだけど……
「ならいいじゃん」
あまりにも淡々とそう言ったと思ったら、
イキナリ首筋にキスしてきた。
突然すぎる出来事に、
軽くパニックに陥るけど……
その優しくて柔らかい唇を感じてると、
頭がボーっとしてくるの。
「……っ、……」
何回も降ってくる唇に、
時折感じる舌遣い。
恥ずかしいし
変な感じはするし、
ワケが分からなくなってくる。
そして……
そうこうしてる間にも、
お兄ちゃんの右手は自由に動いていて。
私の体の一部一部を、厭らしく触ってくる。