私の兄は、アイドルです。
「……ぁ……」
胸、脇腹、へそ、太もも……
人に触られるのって、
こんなにもこそばくって
変な感じになるものなの……?
「………ん…」
自分では気付かない内に、甘い声は漏れているようで。
「……良い声で鳴くな?お前」
「……ぁっ、……ゃ…!」
首筋から耳元へと唇を移動したお兄ちゃんの
その低くて艶やかな声を
至近距離で聞いた瞬間……
……お兄ちゃんが、
とても怖くなった。
私の知ってるお兄ちゃんは……
……こんなんじゃない……
まるで別人のような瞳
怖いよ……
「……さっきお前、俺の事『好きだ』って言ったよな?
好き同士なんだから、キス以上の事もするよな。
……いいよな?」
また淡々とそう言ったお兄ちゃんの指は……
「………っ…!」
「──んだよ。
……濡れてんじゃん。」
……まだ、自分ですら触った事の無い場所まできていて。
「う……そっ……」
言われた言葉を認めたくなくって、フルフルと首を振るけど。