私の兄は、アイドルです。
☆stage.18
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あの、音遠と気持ちが通じ合った日から。
俺は……
自分と葛藤していた。
想い合うだけでも
幸せで幸せで
仕方がないハズなのに
それだけで、充分すぎるくらいに
幸せなハズなのに。
……それ以上を
求めてしまいそうな
卑しい自分が……
……たまらなく、
嫌だった。
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9月終わりの、長雨。
降り止まない雨は、
まるであの日の
音遠の涙みたいだ。
だから……
雨は……嫌いだ。
──あの日から家を出た俺は、
毎日渡さんの用意してくれるホテルで過ごしていた。
今日も遅くまで仕事があって、
クタクタになりながらホテルに帰ってきた俺の部屋の前に。
「よっ、一週間ぶりだな!直人!」
「……豊」
──満面の笑みで笑った、豊が立っていた。
豊は……
俺と音遠の事を知ってる、唯一の人間だ。
っつーかまぁ、
俺が昔からたまに弱音やらを色々聞いてもらってたんだけどな……?
とりあえず部屋に入った俺達は、
冷蔵庫にあったビールで乾杯した。