私の兄は、アイドルです。
【ナオトへ☆
今日もお仕事お疲れ様~(*^∀^*)
今夜の音楽番組も、バッチリ録画しちゃったし!
やっぱりナオトってめちゃくちゃかっこいいね!
今日も学校で、音遠と2人でキャーキャー言ってたんだよ?
ナオト今何してるの~?】
「はは……」
……よくやるよ、澪も。
毎日毎日、さ?
長い文面を読んで、
笑えてくる。
「あ、もしかして……
例の“音遠ちゃんの親友”って子?」
携帯を見ながら笑う俺に、豊が尋ねてきた。
「……そうだよ。
“自称、親友”だけどな……」
そう言いながら、
再度携帯を適当に机に置いた。
もう……
返事を返すのも面倒くさい。
毎日送られてくるメールは
……正直迷惑だ。
携帯を放った俺を見て、
豊は笑う。
「はは……
直人に近付く女の子って、みんな大概そんな感じの事言うよな?」
「まぁな……」
……確かに
今までに会った事のある
音遠の友達たちは、
決まって俺に
“自分は音遠の親友だ”
そう言って
音遠を利用してきた……