私の兄は、アイドルです。
確かに……
コンサート中にBIG4メンバーが3人も並んで突っ立ってたら……
……目立ちますね、うん。
みんな……身長高いしね……?
私がうんうんと納得してると。
「おっ、そろそろ時間じゃね?」
春さんが、ワクワクした様子で腕時計を確認した。
そして、14時ピッタリ。
ここにいる人達みんなにとって、
夢の時間が……始まった。
『只今より、ナオトのソロコンサートを……』
会場を包むアナウンスに、
暗くなる照明。
ここにいる全員が固唾を飲む中……
ドーンッ!
盛大な音と火柱を立て、
ステージがライトに照らされる。
鳴り響くサウンド、
カッコ良く踊るダンサー達。
そしてその中央にいるのが……
「「「「「キャーッッ!
ナオトーッッ!」」」」」
……もしかしたら今、
日本で一番カッコイイかもしれない……
……私のお兄ちゃん、
橘 直人だった。
「キャーッ、ナオトーッ!」
「カッコイイーッ!」
「好きーッ!」
初っぱなから飛び交いまくる、ファンの歓声。
私からしたら、悲鳴に近いモノも聞こえるような……