私の兄は、アイドルです。
お兄ちゃんは、驚いた顔で私を見てる。
そして、
やっと見つけたと言わんばかりに……
……にっこりと、優しく微笑んだんだ……
……お兄ちゃん、まさか私の事……
探してたのかな?
だって……
……私が、一番端っこの席にいるから。
私は、ポケットからゴソゴソと“ある物”を取り出した。
「……バカ兄……」
ポツリ呟くと、
ジッとそれを見つめた。
入れっぱなしだったから、
少しクシャクシャになった“それ”は。
もしかしたら
お兄ちゃんからの、
大切なプレゼントだったのかもしれないね?
『一番前のど真ん中だから。』
そう、メモ書きが添えられていて。
この……
お兄ちゃんが置いていったコンサートのチケットは、
私の思っている以上に
意味のあるものなのかもしれない。
……座席は、澪の隣だったけれど。
『みんな、今日はありがとな!』
それから。
お兄ちゃん含むBIG4メンバーは、
10分程自分たちのメドレーを歌って会場を魅力した。