私の兄は、アイドルです。
そして……
「学校がある日は、1日約3、4時間。
学校が無い日は、1日約8時間。
時給……1000円だけど?
旅費……余裕で稼げるんじゃねーの?」
「!!」
時給1000円!
旅費……!
私に、一筋の希望が差し込んだ。
「精一杯……働かせていただきます……!!」
私は、3人(と、未だに床に転がって寝てるユキさん)に向かったお辞儀した。
そうだよ!
めちゃくちゃ時給いいバイトじゃん!
旅費以上にお小遣いも稼げるじゃん♪
ちょっとだけウキウキしてきたし♪
そんな私に
「よろしくね?音遠ちゃん♪」
「よろしくなー!」
キッラキラのアイドルスマイルで微笑んできた、ユタカさんとハルさん。
わゎ、眩しっ……
一瞬目が眩みそうになってると
「……じゃあ、コーラ買ってきて?もちろんゼロね。」
「は?」
嫌みったらしく長い足を組み替えながら、
嬉しそうに私に向かってこう言ったウザ兄。
……は?
「ほら、早く買いに行けパシリ」