私の兄は、アイドルです。
「~~~っっ!
っさいなぁ!!
行けばいいんでしょ!?行けば!!」
ガタッと立ち上がった私は、ズカズカと扉に歩いていった。
ドアに手を掛けると
「あ、音遠?」
「……何?」
お兄ちゃんが声を掛けてきた。
何?そんな真剣な表情で……
少しお兄ちゃんをじっと見てると
「……豊にはスタバのエスプレッソな?
春には午後teaのレモン。
優希には野菜生活の紫な?」
「はいはいっ!!」
んだっ、注文デスカっ!
はいはい、
私はパシリなんで行きますよっ!
「あ。あとコレ」
まだ何!
とその瞬間、お兄ちゃんから“何か”が飛んできた。
パシッ
飛んできたのは……
お兄ちゃんの財布と…
「通行証……」
「それ、一応渡しとくから。」
「お兄ちゃん……」
やっぱり……
ちょっとは考えてくれてたん「スタバ、このビル出て右曲がって3つ目の交差点沿いにあるから。」
「………あ……そゆ事ですかぁ……」
ガックリした私は、
トボトボと部屋から出て行っ「5分以内に戻ってこいよ?」
……くっそぉぉぉおお!!!!!
―――――
――――