私の兄は、アイドルです。
 



「あっつ……!!」


「バッカ、何してんだよ音遠!」



一瞬、割れるような頭痛がして……


よろめいた私は、持っていたパスタの入った鍋を服に思いっきり掛けてしまった……!

めちゃくちゃ熱い!!




「や、さっきからなんか頭痛がしてて……」



言い訳してる間も……

熱い、めちゃくちゃ熱い!


テンパった私は、床に落ちたパスタを処理しようとした……



けど



「おい、パスタはいいから早く服脱げ!
早く冷やさないと火傷になるぞ!?」


「あっ、そうだよね……!」



声を荒げたお兄ちゃんにそう言われて、

慌てて服を脱ぎに行こうと立ち上がると……



「っ痛っ……」



再度ズキズキと痛む頭痛に耐えきれず、またしゃがみ込んだ私。



いたた……

一体どうした?私……




「っしゃーねぇな……!」


「ぇえっ!?」



お兄ちゃんはちょっと嫌そうな顔をしたと思うと、イキナリ私をグイッとお姫様抱っこした。




「えっ、ちょっ……!
下ろして!?」


「無理。黙ってろ」



私に有無を言わさず、
お兄ちゃんは足早に脱衣場に向かった。



 
< 36 / 297 >

この作品をシェア

pagetop