私の兄は、アイドルです。
「あっつ……!!」
「バッカ、何してんだよ音遠!」
一瞬、割れるような頭痛がして……
よろめいた私は、持っていたパスタの入った鍋を服に思いっきり掛けてしまった……!
めちゃくちゃ熱い!!
「や、さっきからなんか頭痛がしてて……」
言い訳してる間も……
熱い、めちゃくちゃ熱い!
テンパった私は、床に落ちたパスタを処理しようとした……
けど
「おい、パスタはいいから早く服脱げ!
早く冷やさないと火傷になるぞ!?」
「あっ、そうだよね……!」
声を荒げたお兄ちゃんにそう言われて、
慌てて服を脱ぎに行こうと立ち上がると……
「っ痛っ……」
再度ズキズキと痛む頭痛に耐えきれず、またしゃがみ込んだ私。
いたた……
一体どうした?私……
「っしゃーねぇな……!」
「ぇえっ!?」
お兄ちゃんはちょっと嫌そうな顔をしたと思うと、イキナリ私をグイッとお姫様抱っこした。
「えっ、ちょっ……!
下ろして!?」
「無理。黙ってろ」
私に有無を言わさず、
お兄ちゃんは足早に脱衣場に向かった。