私の兄は、アイドルです。
何、コレ!
お兄ちゃん!?
一体どうした!!
「あー重かった。」
「だから下ろしてって言ったじゃん!」
大袈裟に肩をグルンと回し、
さぞ疲れたみたいな言い回しをしたお兄ちゃんに
私は軽く怒鳴った。
一瞬だけ優しいと思ったのに……
やっぱり口悪いよ、お兄ちゃん……
「あっ、服脱ぐから出てってくれる?」
「はっ!お前の裸なんて見たら目腐るっつーの!」
ムカムカムカ……
その目、いっそ腐らせてやろうかっ!?
脱衣場からお兄ちゃんが出て行ったのを確認して、私は服を脱ぎだした。
あちゃー……
お湯掛かった所、真っ赤になってるや……
上と下を脱いで、
丁度下着姿になった所で……
「……クーラー病だよ、多分な」
「クーラー病?」
脱衣場のドアの向こうから、お兄ちゃんの声が聞こえた。
クーラー病って、確か温度差のありすぎる場所を行ったりきたりしてたらなる、温度変化による体調不良だよね?
私……
知らない間にクーラー病になってたのかなぁ?