私の兄は、アイドルです。
「あっ、いや、そのさ?ちょっと渡さんに呼ばれて……」
……うん、
“お兄ちゃんがミス連発したから何故か呼ばれました”
だなんて、なんか恥ずかしくって言えないや
だから誤魔化して言ったのに。
「あー……直人の事でかな?」
ッて完全にばれてるー!
「なんで……知ってるの?」
「ははっ、音遠は直人の“大切な”妹だからさっ♪
その妹に叱咤激励されたら、直人のミスも減るだろうしさ?」
「………」
私の問いに笑顔で答えた春サン。
その内容にビックリして、何も言えねー。
大切な、妹?
……何も言えねー。
「でさ?なんか今日は調子悪いみたいでさー。
俺ってば初めて見たよ、直人のミス。」
「えっ……そうなの!?」
「うん。
いっつもレッスンの時だって、一回見たらノーミスで完璧に出来るもんな」
「へ、へぇ~……」
すげ、お兄ちゃん……