私の兄は、アイドルです。
――――
「……い、起きろ」
…………うーん……
誰かが……
私を揺すってる……?
「……おいチビ起きろ」
……うぉっ……!
誰かが私をガクガクするくらい揺すってる……!
「おら、起きろクソチビ。いつまで寝てんだ!帰るぞ!」
パシッ
「……ふぇ……?
…………はっ!!」
うっわ、今めちゃくちゃキモい声出ちゃったし!!
しかも……
頭、叩かれた……?
(軽くだけど)
恐る恐るチラッと横を見ると……
「……おーおー、俺様達が一生懸命リハーサルしてる横で、よだれ垂らしてまで気持ち良く寝てたのかお前は。」
満面の笑みで私の椅子の隣に座り、突き刺さるような視線で見てくるお兄ちゃんのドアップがあった。
「いや……その……」
うぅ……確かに寝てた事は否めません……
つか、寝起きにその作り上げられた完璧な笑顔のドアップは……
……やめて?汗
さすがに嫌いなバカ兄でも、一瞬だけドキッとしちゃうから……
「ま、いい。帰るぞ」
少しあたふたする私をよそに
椅子からガタッと立ち上がったお兄ちゃん。