私の兄は、アイドルです。
私の答えを聞くなり、
真剣な表情をみるみる崩し……
「俺様の目の前で……
いい度胸だな貴様は」
……ニタリと意地悪な顔で微笑んだ、お兄ちゃん……
いつもの……
性悪な笑顔だ……
うわぁ、嫌な予感……
「なっ、何よ……!
素直に答えただけじゃん!」
「うるせぇ!
結局は遠回しに俺の悪口言ってたじゃねぇか!」
はぁぁ!?
聞いてきたのはそっちじゃんっ!
この……理不尽男め!
ジャイ○ンかお前は!
「はぁっ!?
聞いたのはお兄ちゃんじゃん!」
「うーるーせーえーなっ!!
大体お前はいつもいつも……」
そうして言い合いしまくってると、
兄妹だからかついつい手が出てしまって……
「止めろっつーの!
バカ音遠!」
「うっひゃいバカ兄!」
私はバシバシお兄ちゃんを叩き、
お兄ちゃんは私のほっぺたを思いっきり引っ張る。
そんなこんなで揉み合いになってると……
段々ヒートアップしていき……
「へっ!?
って……きゃあぁっ」
ドスンッ
案の定、2人してフローリングの上に転んだのでした。
「いたた……」