私の兄は、アイドルです。
★stage.6
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……止まってほしいとどんなに願っても、時間は着実に進んでいて。
私の頭はグルグルと混乱したまま――……
――……ついに、コンサートの朝を迎えた。
バタバタバタっ
「ぅおらぁぁぁっ!」
……はっ!
スヤスヤと眠っていた私の耳に入ってきた、けたたましい騒音(足音)と怒声。
気持ち良く寝ていた私は、その音を聞いた瞬間……
……バッチリ目が覚め、そしてココからマジで逃たくなった。
まさか私……
バンッ
「くそぼけ音遠っっ!
お前何で俺様を起こさないんだよ!!」
「いいい今何時でしょう!!??」
「あ"!?自分で時計見ろやボケっ」
勢い良くドアを開け、超激怒りしてるお兄ちゃんを直視出来ないままに
恐る恐る壁掛け時計を見ると……
「ヒィィっ……9時…30分……!」
コンサート当日。
集合時間は、7時。
ちなみに、私は毎朝お兄ちゃんを起こす役。
時計を見て……
一気に冷や汗をかいた。
「なぁ、音遠?
お前さぁ、なんで今日に限って寝坊すんだよっ!」
「ごめんなさぁぁぁいっ!!」