私の兄は、アイドルです。
けど……
「ねぇ、アレってもしかして……」
「あのスタイルは、ナオトかユタカかハルじゃない!?」
「まじっ!?触りたーい!!」
関係者専用入り口の近くにいたファン達が、
何故か私達の存在に気付いたみたいで
「「「「キャーッ!」」」」
……何故か、叫びながら追いかけてきた。
っていうかっ、
こっ、怖っ!
女子達の塊が迫ってくる!
女子の集団って、思ってる以上にホント怖い!!
私とお兄ちゃんは、全速力で階段を駆け上がった。
ダダダダダっ
バタン!
勢い良く扉を閉め、
とりあえず深呼吸する。
「……ふぅっ!凄かったぁ……!」
マジで凄いや、ファンの人達のパワーは……
っていうか……
マジで凄いや、『BIG4』って……
あんなに沢山のファンがいるんだから。
改めて、感じた。
「だから言ったろ、フード被っとけって。
もし顔でも見られたら
俺様の熱狂的なファンにリンチされんぞお前」
「ひっ……!嫌だ!」
なる程……!
確かに、熱狂的なファンの皆様には
“ナオト”と一緒にいる女(しかも手繋いじゃってるし)なんて
憎らしくて仕方ないもんね?