私の兄は、アイドルです。
★stage.7
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最悪だ。最悪。
クソボケバカ兄、最悪すぎるっ!
一発くらい殴ってやったらよかったし!!
あんな奴……やっぱり大っ嫌いだ!!!
私はとりあえず走った。
走って走って……
荷物も持たずにホールを飛び出し、走りまくった。
お腹が痛いし肩も痛い。
何もかもが最悪すぎる。
そしてめちゃくちゃに走りまくった結果……
「げほっ……」
突然呼吸が苦しくなり、
その場にしゃがみ込んだ。
や、ば……っ
運動不足だから?
ううん、……何か、いつもと違うような……?
視界がグルグルと廻る。
意識が……遠ざかる……
──遠ざかる意識の中、
私は道行く人に声を掛けられていて。
「キミ、大丈夫か!?」
「大丈夫!?しっかりして!」
意識が途切れる直前……
……救急車の、サイレンの音が聞こえた気がした。
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