魔念村殺人事件
「少し落ち着いたみたいね。それにしてもどうしたのかしら鈴音」


 瑞穂は首を傾げながら、陸の隣りに腰掛けた。そしてテーブルの下に置いてあった蝋燭セットをテーブルの上に乗せると火を点けた。

 室内が薄暗かったのだが、蝋燭を点けたことにより、大分明るく感じた。

 春樹が瑞穂に身体ごと向けると、鈴音との会話を訊いた。


「鈴音、瑞穂に何か云ってた? さっきの美紀の話しとか」


「美紀の話しには私も触れなかったし、それについて鈴音は何も語らなかったわ。でも……」


 云いかけた瑞穂は、眉間に皺を寄せ黙った。そんな瑞穂が気になった章吾は身を乗り出して訊ねた。


「でも何だよ。鈴音、他に何か云ってたのか?」


「え、ええ。変なこと云って震えていたわ。だからしばらく抱きしめていたのだけれど」


「変なことって?」


「それがね……『次は私が殺されるかもしれない。私は美紀に殺される』って云ったのよ。それってどういう意味なのかしら」

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