魔念村殺人事件
 陸と春樹は申し訳なさそうな顔をして、お茶の間のテーブルの前に座った。

 そして、陸と春樹は顔を見合わせると、車の中で話した内容を瑞穂と章吾にも話した。

 二人共たいそう驚き、複雑な表情をしていたが、春樹の提案を聞いた章吾は頷いた。


「分かった。なるべく穏やかに訊いてみるよ。まず俺達も飯食うか」


 こうしてお茶の間では、クッキーのような携帯食料などを食べた。

 食べ終わると、章吾は立ち上がり、鈴音の分の携帯食料を手に持った。


「じゃ、俺鈴音の部屋に行ってくる」


「ちょっと待って、正信にも何か食べ物持って行かないと。新しいタオルも持っていくわ」


 瑞穂は慌てて立ち上がると、新しいタオルを持ってきた。そして章吾と瑞穂はお茶の間を出て行ったのである。

 お茶の間に残った俺と春樹は顔を見合わせると、二人共ポケットから同時にタバコを取り出したので、思わず笑った。そして火を点けゆっくりと吸い込んだ。
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