魔念村殺人事件
第十四話 わらべ唄その二
章吾と瑞穂はすぐにお茶の間へ戻ってきた。
鈴音と話しは出来なかったのだろうか。
「鈴音ちゃん、取り乱してしまいましたか?」
「いや、泣き疲れたんだろうな。頬に涙の跡付けて、ぐっすり寝ていたよ。食べ物は枕元に置いてきたけれど」
仕方ない。起きた時に改めて話しを訊くしかなさそうだな。
陸は章吾から瑞穂に視線を合わせると、次に瑞穂が云った。
「正信はまだ熱があるようね。苦しそうな顔をして寝ていたわ」
「そうですか、瑞穂さん達は風邪、大丈夫ですか?」
「ええ。私は大丈夫だけれど、章吾は?」
すると、章吾は黒縁眼鏡の真ん中を指で押し上げながら答えた。
「俺も大丈夫だ。石川さんや春樹は? あれ、何か部屋が煙いな」
丁度、陸と春樹はタバコを吸い終わり、お茶の間の隅にあった空き缶に吸い殻を捨てたところだったので、部屋が霧のように白くなっていた。
鈴音と話しは出来なかったのだろうか。
「鈴音ちゃん、取り乱してしまいましたか?」
「いや、泣き疲れたんだろうな。頬に涙の跡付けて、ぐっすり寝ていたよ。食べ物は枕元に置いてきたけれど」
仕方ない。起きた時に改めて話しを訊くしかなさそうだな。
陸は章吾から瑞穂に視線を合わせると、次に瑞穂が云った。
「正信はまだ熱があるようね。苦しそうな顔をして寝ていたわ」
「そうですか、瑞穂さん達は風邪、大丈夫ですか?」
「ええ。私は大丈夫だけれど、章吾は?」
すると、章吾は黒縁眼鏡の真ん中を指で押し上げながら答えた。
「俺も大丈夫だ。石川さんや春樹は? あれ、何か部屋が煙いな」
丁度、陸と春樹はタバコを吸い終わり、お茶の間の隅にあった空き缶に吸い殻を捨てたところだったので、部屋が霧のように白くなっていた。