魔念村殺人事件
「なぁ、ケムンドウっていうのは何なんだ?」
「そうか、陸には説明してなかったな。ケムンドウっていうのは、魔念村にいる魔物のことだよ」
「魔物……。そのケムンドウと、行方不明になった彼女が一緒に、廃村になった魔念村で待っているってことか……何か不吉だな」
「あぁ、俺もそう思って、同じ魔念村出身の五人に、電話して訊いたんだよ。そしたら他の五人にも、俺と同じ手紙が届いているって云うんだ。五人共、明日魔念村へ行くって云ってた。ケムンドウに逆らうのが怖いって理由でさ」
「でも、その中の五人の内、誰かが悪戯でケムンドウの名を使って手紙を出したっていう可能性はないのかな?」
「俺も始めはそう思ったけれども、五人共否定するし、第一、そんな悪戯をする理由が思いつかない」
「確かにな。で、春樹は明日行くのか?」
陸がそう訊くと、春樹は難しい顔をしながらタバコを取り出し、火を点けるとゆっくり吸った。
「そうか、陸には説明してなかったな。ケムンドウっていうのは、魔念村にいる魔物のことだよ」
「魔物……。そのケムンドウと、行方不明になった彼女が一緒に、廃村になった魔念村で待っているってことか……何か不吉だな」
「あぁ、俺もそう思って、同じ魔念村出身の五人に、電話して訊いたんだよ。そしたら他の五人にも、俺と同じ手紙が届いているって云うんだ。五人共、明日魔念村へ行くって云ってた。ケムンドウに逆らうのが怖いって理由でさ」
「でも、その中の五人の内、誰かが悪戯でケムンドウの名を使って手紙を出したっていう可能性はないのかな?」
「俺も始めはそう思ったけれども、五人共否定するし、第一、そんな悪戯をする理由が思いつかない」
「確かにな。で、春樹は明日行くのか?」
陸がそう訊くと、春樹は難しい顔をしながらタバコを取り出し、火を点けるとゆっくり吸った。