魔念村殺人事件
「美紀を殺したのが鈴音だと思った人物は、復讐のために鈴音を……。でも真優はどうして?」
「真優ちゃんは、美紀ちゃんが殺されるところを見ていたのだと思う。それなのに助けなかった。それは鈴音ちゃんと同罪だと犯人は見做したんじゃないかな」
犯人という言葉に反応した正信が顔を上げた。
「俺のせいだ……。花摘みなんか四人で行かなければ良かったんだ」
正信は自分を責めて泣いていた。瑞穂はそんな正信の背中に手を置き慰めている。
陸は一度目を伏せてから説明を続けた。
「正信君のせいではないよ。たまたま花摘みに行った時に起こってしまった……。その前から殺意はもう、すぐそこまで迫っていたのですから。正信君がおばあさんの農家を手伝っていた時、美紀ちゃんに会ったって云ってたけれど、彼女は鈴音ちゃんと会った帰りだったんだと思います。頬が赤く腫れていたのは、きっと鈴音ちゃんが引っ叩いたのでは、と私は想像します。
そして花摘みの日、正信君が夢中で花を摘み、ふと見た時に美紀ちゃんと鈴音ちゃんが話しているのが見えたって云ってたけれど、それは鈴音ちゃんが美紀ちゃんを呼び出しているところだったんじゃないかと思います。話しがある、というふうに。そして、正信君が気付かないうちに呼び出され、何らかの方法で殺された。あっ! もしかして……この村では祠の近くに誰も近づかない場所などありませんか?」
「真優ちゃんは、美紀ちゃんが殺されるところを見ていたのだと思う。それなのに助けなかった。それは鈴音ちゃんと同罪だと犯人は見做したんじゃないかな」
犯人という言葉に反応した正信が顔を上げた。
「俺のせいだ……。花摘みなんか四人で行かなければ良かったんだ」
正信は自分を責めて泣いていた。瑞穂はそんな正信の背中に手を置き慰めている。
陸は一度目を伏せてから説明を続けた。
「正信君のせいではないよ。たまたま花摘みに行った時に起こってしまった……。その前から殺意はもう、すぐそこまで迫っていたのですから。正信君がおばあさんの農家を手伝っていた時、美紀ちゃんに会ったって云ってたけれど、彼女は鈴音ちゃんと会った帰りだったんだと思います。頬が赤く腫れていたのは、きっと鈴音ちゃんが引っ叩いたのでは、と私は想像します。
そして花摘みの日、正信君が夢中で花を摘み、ふと見た時に美紀ちゃんと鈴音ちゃんが話しているのが見えたって云ってたけれど、それは鈴音ちゃんが美紀ちゃんを呼び出しているところだったんじゃないかと思います。話しがある、というふうに。そして、正信君が気付かないうちに呼び出され、何らかの方法で殺された。あっ! もしかして……この村では祠の近くに誰も近づかない場所などありませんか?」