魔念村殺人事件

　黙って話しを聞いていた春樹達は、複雑な表情をしながらも頷いていた。それは鈴音の今までの態度と陸の説明でようやく疑問が解消したからだろう。

　春樹は苦しそうな、疲れ果てたような、そんな複雑な表情を陸に向けた。


「ようやく分かったよ……。俺が村を出たからいけないんだ……」


「違うわ、春樹のせいじゃない。私が美紀を独りぼっちにして村を離れたから……私のせいだわ」


　春樹と瑞穂は自分のせいだと嘆いていた。

　そして、章吾と正信も自らを責めていたのである。


「俺がもっと鈴音を理解していたら、美紀は死ぬこともなかったんだ……真優だって……鈴音だって」


「違う。どう考えても俺のせいだ……。美紀が春樹を追いかけて東京行くこと、振られたこと、それを鈴音に話したから。それに花摘みなんか行こうなんて云わなければよかった。全部俺のせいなんだよ。美紀と真優、鈴音の三人は俺のせいで死んだんだ……」