魔念村殺人事件
 正信は泣き崩れ、肩を揺らし嗚咽を洩らしている。

 陸は悲痛な面持ちで春樹達を見守ることしか出来ず黙っていた。

 しばらくすると、顔を上げた春樹が陸を見据え、震える声でゆっくりと云った。


「じゃあ……ケムンドウの名を騙って美紀の復讐をしたのは……真優と鈴音を殺したのは? 陸、教えてくれよ。もう全て分かっているんだろ」


 やっとの思いで話す春樹を見て、陸はきつく目を閉じてから答えた。


「分かった……」


 そして陸は、ケムンドウ……すなわち犯人の顔を悲しそうに見ながら、やっとの思いで云った――。








「復讐しか選べなかったんですか? 瑞穂さん」

< 139 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop