魔念村殺人事件
「おい、どうしたんだよ陸? 頭どうかしたのか?」
「違う違う。そうじゃないよ。つくづく俺と春樹は似てるなぁって思ったら可笑しくなってさ」
「何だよ急に。雇うのか雇わないのか?」
春樹は口を尖らせた。
「そんなの決まってるだろ。春樹は今日から俺の助手だよ。でも、もしかしたらお前の方が探偵の素質あるかもな」
そう云って陸は楽しそうに笑ったのである。春樹もつられて笑うと「探偵社RIKU」の室内は明るい雰囲気が充満した。
それから他愛もない話しをしていたのだが、二週間前の魔念村で起きた事件の話題になり、その後、章吾と正信がどうしているか陸は訊いた。
「章吾は、鈴音が亡くなったことで両親が寂しがり、実家の酒屋を継ぐため、K県に帰ったよ。それは昨日のことだ。で、正信は一人でS県にいるのも辛いからって、章吾の後を追いかけるため、郵便局に移動願いを出したらしい。駄目ならK県に帰って実家の農業やるって」
「そうか……。事件によって春樹達も変わったってことか」
陸は納得したような顔を見せた。
「違う違う。そうじゃないよ。つくづく俺と春樹は似てるなぁって思ったら可笑しくなってさ」
「何だよ急に。雇うのか雇わないのか?」
春樹は口を尖らせた。
「そんなの決まってるだろ。春樹は今日から俺の助手だよ。でも、もしかしたらお前の方が探偵の素質あるかもな」
そう云って陸は楽しそうに笑ったのである。春樹もつられて笑うと「探偵社RIKU」の室内は明るい雰囲気が充満した。
それから他愛もない話しをしていたのだが、二週間前の魔念村で起きた事件の話題になり、その後、章吾と正信がどうしているか陸は訊いた。
「章吾は、鈴音が亡くなったことで両親が寂しがり、実家の酒屋を継ぐため、K県に帰ったよ。それは昨日のことだ。で、正信は一人でS県にいるのも辛いからって、章吾の後を追いかけるため、郵便局に移動願いを出したらしい。駄目ならK県に帰って実家の農業やるって」
「そうか……。事件によって春樹達も変わったってことか」
陸は納得したような顔を見せた。