魔念村殺人事件
「俺も人から聞いたことしか分からないけれども。確か、四人で村の外れにある祠の近くで花を摘んでいて、いつの間にか美紀の姿がなかった、ということらしいんだ。遊んでいたのが祠の近くだったことから、ケムンドウに連れて行かれたって年寄りは口々に云ってたらしいが。実際、村中総出で探したけれど、美紀は見つからなかったんだ。それから十年たった今も」
春樹は暗い影を落とし、目に涙が溜まっていた。
その時、飛行機のアナウンスが流れ、ようやくK県の空港に着くようだった。
話し込んでいたせいか、二時間はあっという間に過ぎていた。
「もうすぐだな。春樹の運転は怪しいから俺が運転してやるよ」
春樹を元気づけようと、陸は軽口を叩き親指を立てた。
「お前、魔念村までの道知らないだろ。それに、険しい魔念峠を三つも通るんだぞ」
「随分険しそうな道だな。では、探偵は助手席に座らせて頂きます」
陸が敬礼するような手つきをすると、春樹は思わず笑い声を洩らした。
春樹は暗い影を落とし、目に涙が溜まっていた。
その時、飛行機のアナウンスが流れ、ようやくK県の空港に着くようだった。
話し込んでいたせいか、二時間はあっという間に過ぎていた。
「もうすぐだな。春樹の運転は怪しいから俺が運転してやるよ」
春樹を元気づけようと、陸は軽口を叩き親指を立てた。
「お前、魔念村までの道知らないだろ。それに、険しい魔念峠を三つも通るんだぞ」
「随分険しそうな道だな。では、探偵は助手席に座らせて頂きます」
陸が敬礼するような手つきをすると、春樹は思わず笑い声を洩らした。