魔念村殺人事件
第三話 六人+一人
魔念村に入ると、ぽつりぽつりと老朽化した家があり、軒先には黒いバナナのような物が、どの家にもぶら下がっていた。それが廃村なだけに余計奇妙である。
陸は魔念村の景色を眺めながら、軒先にぶら下がっている物を指さした。
「どの家にも変な黒い物が軒先にぶら下がっているけれど、あれ、何なんだ?」
「鴉の嘴に見立てた、この村じゃお守りみたいな物だよ。あれを下げていない家はないはずだ。わらべ唄にも、鴉の嘴が出てくるんだ」
「変わった風習だなぁ。そうそう、手紙に書いてあった魔念村公民館って近いのか?」
「ああ、もう見えてる。あそこだよ」
春樹が指さした方向には、この村で一番高い建物なのだろう。茶色い建物が一つ飛び出して見えていた。あれが公民館か……。
今何時だ? 陸はふとそう思うと腕時計を見た。すると、時刻はもうすぐ午後三時になるところだった。
陸は魔念村の景色を眺めながら、軒先にぶら下がっている物を指さした。
「どの家にも変な黒い物が軒先にぶら下がっているけれど、あれ、何なんだ?」
「鴉の嘴に見立てた、この村じゃお守りみたいな物だよ。あれを下げていない家はないはずだ。わらべ唄にも、鴉の嘴が出てくるんだ」
「変わった風習だなぁ。そうそう、手紙に書いてあった魔念村公民館って近いのか?」
「ああ、もう見えてる。あそこだよ」
春樹が指さした方向には、この村で一番高い建物なのだろう。茶色い建物が一つ飛び出して見えていた。あれが公民館か……。
今何時だ? 陸はふとそう思うと腕時計を見た。すると、時刻はもうすぐ午後三時になるところだった。