魔念村殺人事件
「石川さん、このわらべ唄は本来、村の繁栄を願って祭りで唄われるものです。しかし葬儀の時にも唄われます。死者を送り出す、すなわち死者をケムンドウに捧げるために。ですからこのわらべ唄は普段唄ってはいけないのです。祭りと葬儀の時以外、この唄を唄ってしまうと死人が出ると云い伝えられてきました。それを俺は……」
章吾はそこまで話すと、また俯いてしまった。おそらく自分がわらべ唄を読んでしまったことにより、死人が出たらどうしようと不安になり、落ち込んでいるのだろう。
その時、瑞穂が皆を安心させるように声をかけた。
「大丈夫よ。章吾は唄ったわけではないわ。文章を読んだにすぎないんだから」
「そうよ、お兄ちゃんは唄ってないんだから大丈夫だよ」
鈴音も落ち込んだ兄が心配なのだろう。励ましていた。
「そうだな。瑞穂達の云う通りだよ。とりあえず何か食べるか? 長い道のりで腹が減った」
春樹が暗い雰囲気を払拭するように、自分のお腹をポンポンと叩いた。
陸も車に食べ物を取りに行くことにしようと立ち上がった。
章吾はそこまで話すと、また俯いてしまった。おそらく自分がわらべ唄を読んでしまったことにより、死人が出たらどうしようと不安になり、落ち込んでいるのだろう。
その時、瑞穂が皆を安心させるように声をかけた。
「大丈夫よ。章吾は唄ったわけではないわ。文章を読んだにすぎないんだから」
「そうよ、お兄ちゃんは唄ってないんだから大丈夫だよ」
鈴音も落ち込んだ兄が心配なのだろう。励ましていた。
「そうだな。瑞穂達の云う通りだよ。とりあえず何か食べるか? 長い道のりで腹が減った」
春樹が暗い雰囲気を払拭するように、自分のお腹をポンポンと叩いた。
陸も車に食べ物を取りに行くことにしようと立ち上がった。