魔念村殺人事件
「皆のところにも届いたケムンドウからの手紙なんだけれど、これ送った人、この中にいるか?」
なるべく明るく振舞ったつもりなのだろうが、全員に暗い影を落とす結果になってしまった。
誰も答える様子がなかったので、陸はなるべく優しい口調で話した。
「もし、いるのならば名乗り出て下さい。魔念村の皆で集まりたくて送ったのかもしれませんし。そうであれば、責める人間はいないはずですから」
六人の顔を見回し問うたが、誰も答える者はいなかったので陸は更に続けた。
「いないということが事実であれば、ここにいる魔念村出身者以外の人物が送ったことも考えられます。しかし理由は何でしょうか。手紙にはケムンドウと大沢美紀さんが待っているという内容でしたが、大沢美紀さんが見つかったということでしょうかね」
「そんなこと……あり得ない」
鈴音が搾り出すような声で云った。その顔はどこか怯えているようにも見えた。
すると、今度は瑞穂が顔を上げ、陸に引きつった微笑みを見せたのである。
なるべく明るく振舞ったつもりなのだろうが、全員に暗い影を落とす結果になってしまった。
誰も答える様子がなかったので、陸はなるべく優しい口調で話した。
「もし、いるのならば名乗り出て下さい。魔念村の皆で集まりたくて送ったのかもしれませんし。そうであれば、責める人間はいないはずですから」
六人の顔を見回し問うたが、誰も答える者はいなかったので陸は更に続けた。
「いないということが事実であれば、ここにいる魔念村出身者以外の人物が送ったことも考えられます。しかし理由は何でしょうか。手紙にはケムンドウと大沢美紀さんが待っているという内容でしたが、大沢美紀さんが見つかったということでしょうかね」
「そんなこと……あり得ない」
鈴音が搾り出すような声で云った。その顔はどこか怯えているようにも見えた。
すると、今度は瑞穂が顔を上げ、陸に引きつった微笑みを見せたのである。