魔念村殺人事件
「すみません。では質問させて頂きますが、真優ちゃんが人に恨まれているとか、そういう心当たりはないですか? 瑞穂さんは彼女の勤めていたカフェの店長さんでもあると聞いたものですから」


 すると瑞穂は思い出すように、どこか遠くを見ながら話しだした。


「店でも真優は大人しい方だったから、人に恨まれるようなことは思い当たらないわ。仕事は一生懸命するし、誰よりも真面目だった」


「そうですか。では、昨夜のことですが、詳しく話して貰えますか?」


「ええ。私の家は玄関を入って、廊下になっているんですけれど、左に二部屋、右に二部屋、そして一番奥がお茶の間と台所。そこから左がお手洗いと浴室、それと右に一部屋あるわ。
 昨日はお茶の間で私と真優、正信の三人で久しぶりに色々な話しをしたの。実は真優は正信のことがずっと好きだったんです。村にいる頃、正信に好きだと告白したけれど、振られたって聞いていました。でも真優は東京に出てきてからも気持ちは変わらないようで、度々相談されてたわ。だから昨日は正信と話している時、とても嬉しそうだったなぁ」

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