魔念村殺人事件
「鈴音は、何に取り乱したんですか?」
章吾はいつの間にか弱々しい口調に変わっていた。
正直に云うべきか、云わないべきか……。いや云えば彼も取り乱す可能性がある。
「きっと私の質問の仕方がいけなかったのでしょう。章吾さんにも質問しますが宜しいですか?」
「あ、ああ」
腑に落ちない表情をし、章吾は吐息混じりに答えた。
「真優ちゃんに恨みを持つ人間の心当たりはありませんか?」
「ないな。真優は比較的大人しいタイプだったから」
皆同じことを云う。大人しいタイプだというのは確かに頷けるが。
「では、昨夜のことを訊かせて下さい。出来れば詳しく」
「アリバイというわけですか。分かりました。堀井家に帰った俺と鈴音はお茶の間で、色々な話しをしていました。もうご存知かもしれませんが、鈴音は春樹のことが好きですから、春樹の家に泊まれなかったことで俺に文句を云いました。あの通り気が強く我儘な妹です、俺もむきになってその後、色々なことで口喧嘩になってしまいました」
章吾はいつの間にか弱々しい口調に変わっていた。
正直に云うべきか、云わないべきか……。いや云えば彼も取り乱す可能性がある。
「きっと私の質問の仕方がいけなかったのでしょう。章吾さんにも質問しますが宜しいですか?」
「あ、ああ」
腑に落ちない表情をし、章吾は吐息混じりに答えた。
「真優ちゃんに恨みを持つ人間の心当たりはありませんか?」
「ないな。真優は比較的大人しいタイプだったから」
皆同じことを云う。大人しいタイプだというのは確かに頷けるが。
「では、昨夜のことを訊かせて下さい。出来れば詳しく」
「アリバイというわけですか。分かりました。堀井家に帰った俺と鈴音はお茶の間で、色々な話しをしていました。もうご存知かもしれませんが、鈴音は春樹のことが好きですから、春樹の家に泊まれなかったことで俺に文句を云いました。あの通り気が強く我儘な妹です、俺もむきになってその後、色々なことで口喧嘩になってしまいました」