魔念村殺人事件
第十一話 思い出したこと
公民館の一番奥の右側の部屋に入ると、椅子には瑞穂と正信と鈴音が座っていた。鈴音はテーブルに顔を突っ伏していることもないので、少し落ち着いたのかもしれない。
陸と章吾と春樹が戻ってくると、瑞穂は真っ先に訊いた。
「どうだった?」
何て答えたらいいのか分からずに、陸だけでなく章吾と春樹も言葉を探しているようだった。
すると、鈴音が章吾の顔を見据えた。
「お兄ちゃん、もしかして誰もいなかったの?」
章吾は鈴音を一瞥すると、視線を床に落とした。
誰もいなかったといえば、おのずとこの中に犯人がいると宣言するようなものだし、何も答えなければ余計に皆の不安感を募らせるだろう。
陸は言葉を慎重に選びながら、穏やかにゆっくりとした口調で云った。
「皆さん、村には誰もいませんでした。でも犯人が村から既に出ていったという可能性もあります。しかし、わらべ唄の二番が書かれた手紙があった以上、警戒した方がいいでしょう。ですから、雨が止むまでは、なるべく一箇所に皆でいた方がいいと思います」
陸と章吾と春樹が戻ってくると、瑞穂は真っ先に訊いた。
「どうだった?」
何て答えたらいいのか分からずに、陸だけでなく章吾と春樹も言葉を探しているようだった。
すると、鈴音が章吾の顔を見据えた。
「お兄ちゃん、もしかして誰もいなかったの?」
章吾は鈴音を一瞥すると、視線を床に落とした。
誰もいなかったといえば、おのずとこの中に犯人がいると宣言するようなものだし、何も答えなければ余計に皆の不安感を募らせるだろう。
陸は言葉を慎重に選びながら、穏やかにゆっくりとした口調で云った。
「皆さん、村には誰もいませんでした。でも犯人が村から既に出ていったという可能性もあります。しかし、わらべ唄の二番が書かれた手紙があった以上、警戒した方がいいでしょう。ですから、雨が止むまでは、なるべく一箇所に皆でいた方がいいと思います」