魔念村殺人事件
「村に誰もいなかったのなら、ケムンドウが犯人なんじゃないかな……」


　正信はまだケムンドウ犯人説を信じているようだった。もしかしたら、仲間の中に犯人がいる可能性を考えたくないからなのかもしれない。

　その時、鈴音が驚くべきことを云った。


「次に殺されるのは、私かもしれない」


　弱々しい声でそう云うと、鈴音はまたテーブルに顔を突っ伏してしまった。

　隣に座っていた瑞穂が鈴音の背中に優しく手を置いた。


「どういうこと鈴音？」


　鈴音が何も答えず俯いたので、それを見た章吾は鈴音に駆け寄ると肩を掴み、無理矢理顔を上げさせようとした。


「おい、今のどういうことだ鈴音！　ちゃんと説明しろ！」


　鈴音は泣きじゃくり、首を振るだけだったので、そんな光景を見た瑞穂が青ざめた顔で止めに入った。

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