気まぐれ王子様と甘い恋《番外編》
私が頷くと女の子は立ち上がった
「私も、新入生なんだ!
私、木下詩音です。詩音って呼んでね」
その女の子の名前は“詩音”だった。
「私は長谷川藍。よろしくね」
詩音は大きい瞳をキラキラさせながら私に飛び付いた
「藍ちゃんってば、可愛い~」
可愛いなんて初めて言われたかも……。
でもそういう詩音のほうが可愛いかった
「私たち、友だちにならない?」
「え?」
久しぶりに“友だち”という言葉を聞いた気がする