pure
朝から雨が降っていた。


梅雨時期は湿度が高くて


もともとクセのある髪が


水分を含んで広がってしまう。


だから ず~っと6月は嫌だった。


アンジュの窓から見える


ケヤキの葉が雨に濡れている。


雨が気持ちいい。


そのすがすがしさに気づいたのは


どうしてだろう。


40歳になったから・・・?



このところ私はひとつの


ジレンマがあった。


家事をしていても


仕事をしていても・・・


はっと気が付くと


克己のことを考えていた。


「今 何をしているのだろう?」


「ご飯食べたかな?」


彼が大阪に転勤になってから


半年以上たっていた。


ってことは半年以上


会っていないことになる。


ケイタイの中の克己が


いつの間にか私の中にいて


いっぱいであふれ出しそうに


なっていた。


ゲットしたグリーンの奇跡の石に


「克己君がいつまでも


幸せでいられますように・・・」なんて


お願いをしている。



「これってLOVE?」




今さら・・・



?はない?・・・でも・・・
< 116 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop