pure
「こっちは既婚


彼は未婚。まちがいなく人間として


好きなんだと思っていると思うよ。


一度 大阪に会いに行った方がいいね。


で きちんと彼の目を見て


気持ちを伝えないと


伝わらないと思う。OK?」


「・・・」


「何なら きびだんご持って


お供しますうよ。


大阪決起集会!!」


「・・・」



テラスの向こう側の噴水が


さらさらと涼しげな音をたてて


流れている。






何だか すっきりした気持ちが・・・


少し雲がかかってきた感じがする。


美姫に指摘されたからではない。


心のどこかで求めている何か


大切な感情。


私はいったい何をしたいのだろう?


溢れ出しそうな想いを


伝えたかった。


それで、嫌われてしまったとしても


すっきりするような気がしていた。


実際に 気持ちを伝えて


すっきりしたはずなのに


少し違う。



結論がでないまま


2週間が過ぎた。





克己はその間も


何度も電話をしてくれて


仕事の話をした。


普通に話しをすればするほど


心に引っかかったままの


ブラックホールが広がっていった。




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