pure
 着信 上野克己


心臓がどきっとする



「もしもし 森村です。」



「上野です。お元気ですか?」


震える手が


ケイタイを落とさないように


しっかりと握った。



「元気です。久しぶり・・・



上野君が


大阪に行ってから


もう何年もたったような


気がする。」





「まだ ~


たったの2週間しか


たってないです。


引っ越しの荷物が


やっと片付いたところです。」





「こうして


電話できる日がくるなんて・・・


嬉しい 


大阪でもちゃんとケイタイって


つながっているのね。」




もしも 


私に尾っぽがついていたら


ちぎれるほど


ぶんぶん


振り回していたと思う。



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