pure
もうすぐ


赤や黄色に色づいた


ケヤキ葉もすっかり落ちて


こげ茶色の幹は


イルミネーションに飾られて


クリスマスの訪れを待つ。




いつも通り過ぎて行く


何気ない風景が


何もかも輝いているように


感じるのは


夢を追いかけているからだと


信じていた。




メイクアップアーティストは



国家資格にはないから


どちらかというと


自称であり


腕がものをいう


職人気質な仕事。



アンジュのメーカーは


社内で規定があり


社員であれ 代理店であれ


その試験にパスをしないと


メイクアップアーティストを


名乗ってはいけない規定に


なっていた。


その試験は毎年


12月に本社で実施される。



筆記試験など


まったくなく


ただただ実技のみ。


ステージの上で


一般のモデルさんを


いかに


美しく変身させることが


できるかを


試験管が判断して


沢山の受験者の中から


たった5人だけが


メイクアップアーティスト


として認められる。



私の場合


モデルさんや芸能人を


美しく見せるための


技術ではなく


身近にいる女性たちを


いかに美しく変身させていく


ことができるかを


テーマに置いていた。


実際に


まわりの少し


アイラインの入れ方を


変えただけで


5歳は若く見える


ようになる。
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