御曹司が恋したお姫様!?㊤
そんなあたしの疑問に、美織ちゃんはしれっと答えた。
「ちょっと心外ね。
うちはこういうお家柄なのよ」
「“こういうお家柄”って………、
どういうお家柄よ?」
「見れば分かるでしょ。お茶よ」
「…お茶?」
「あ、ほらきた。
うちの次期家元が」
「いいいいいっ…家元!?」
美織ちゃんの視線を追うと、後ろに伊織さんがいた。
「華憐ちゃんきてたんだ?
いらっしゃい。
ゆっくりしてってね」
「はい………」