御曹司が恋したお姫様!?㊤
頬を伝う涙の冷たい感触が、余計に涙腺を刺激する。
足は痛いし、日も暮れてきて辺りは薄暗いし、不安で不安で仕方がない。
不安だと思えば思うほど、涙がとめどなく溢れる…。
あたしはいつのまにか、まるで幼稚園の子供のように、ひとり道のど真ん中で泣きじゃくっていた。
「………バーカ」
「ほへぇっ!?」
不意に後ろから押されて、あたしは地面につんのめりそうになる。
「………よくも後ろから押しやがって…」