御曹司が恋したお姫様!?㊤
いくら忘れたと思い込んでいても………。
「華憐…?」
「えっ………」
後ろから声が聞こえた。
びっくりして振り向いてみると、そこには人影があった。
「潤………」
「…お前、また泣いてんのか?」
「泣いてなんか…!!」
そう言いながら、無意識に自分の頬を拭ってみて、泣いていたことに初めて気がついた。
「なにかあったのか?」
「…なんでもないし」
あたしは拗ねて、そっぽを向いた。
すると、潤があたしの隣に座った。