御曹司が恋したお姫様!?㊤
無口のまま、自分が羽織っていたガウンをあたしの肩にかけてくれた。
「…ありがと」
あたしが静かにお礼を言うと、潤も静かにうなずいた。
「伊織から聞いた」
「えっ………?」
「昔のこと、お前に話したんだってな」
“昔のこと”というフレーズだけで、ピンときた。
「まったく、アイツも余計なこと言いやがって…」
伊織さん、結局自分で言っちゃったんだ…。
潤、怒っただろうな。
…だけど、この様子じゃそんなにぶちギレてはいないみたい。