御曹司が恋したお姫様!?㊤
ぬくもりを探していたのかもしれない。
落ち着ける、ぬくもりを。
「…辛かったよね」
「別に…」
「あたしは別に同情してるわけじゃないから。
ただ、あたしも辛かったの覚えてるから」
「………どういう意味だ?」
「あたしもその時の潤と同じぐらいの歳の頃に、お父さん殺されてるから………」
自分で言っておきながら、頬を冷たい雫が伝っていた。
…それを止めることはできなかった。
「じゃあ、今の親父は………」