御曹司が恋したお姫様!?㊤
たかが数百メートル…。
すぐだよ、すぐ。
ちょっと歩けば、すぐに着くんだから。
………そう自分に言い聞かせて、奮い立たせようとしていた。
だけど………、
「やっぱり無理………」
あたしはヘナヘナとその場に座り込んだ。
──…実は、暗いところが大の苦手。
街灯があったり、夜でも明るいところなら大丈夫になったんだけど。
…ここは、街灯も何もない。
しかも、冬ということもあって辺りは真っ暗。