上辺だけ彼氏
はあ、とため息をついて教室へと戻る。
教室の前へついたあたしはガラリとドアを横にスライドさせて中に入る。
「お、ミカ!!」
『うるさいカツヤ。
…はい、これあげる』
あたしは空になった空き缶をカツヤに無理矢理渡した
「空じゃんコレ!!」
『ユミ~。
カツヤがうるさい』
「え、俺うるさくなくね?!」
『カツヤ自体がうるさい』
「ひでえ!!」
カツヤと漫才みたいなことをしながら、ユミと一緒に笑う。
カツヤとは幼稚園からずっと学校が一緒だったし何故だかクラスも隣同士か一緒だった。
……幼なじみ、って言うのかな?
ユミとは中学で仲良くなった。
「てゆーかミカ、ナオがまた浮気してるけどいいの?」
『…だって“約束”だから』
「そっかぁ。じゃないと別れることになるもんね。あたしミカの辛い顔見たくないんだよ。だからどうにかしてナオがミカに惚れればいいんだけどな、」
『ナオがあたしに惚れるなんて有り得ないよ。気まぐれだとしても付き合ってくれただけで奇跡に近いんだから』
……それにナオはいつもあたしと下校してくれてる。だからこれ以上なにかを望むなんて、しちゃいけない。