上辺だけ彼氏
「ミカ」
『ん?』
カツヤの背中に乗っかっていたらユミが呆れたような声を出してあたしを呼んだ。
「ほんとにいいの?」
『なにが?』
「ナオが浮気しても」
『…これが、約束だから』
約束は守らなきゃいけない。
はあ、とため息がでる
俯いているとコツン、ではなく“ゴン”とおもいっきり頭を殴られた。
『いった!!』
「おまえがウジウジしてんの似合わねーよ」
『え、だからってなんっでおもいっきり殴るの?!』
「日頃の恨み」
『痛いんだよチクショー!』
あたしは頭を手で押さえながらカツヤの膝を蹴った。
「いってぇ!!」
『はっはっはっ!
ザマーミロってんだ!』
勝ち誇ったような顔をすると、ユミがまた呆れたように声を出した。
「あんたら、仲良いね‥」