上辺だけ彼氏
「きりーつ、れーい」
「「「さよーならー」」」
ざわざわと、教室からいろんな人達が出ていく。
あたしはユミとカツヤに ばいばい をして教室から出た。
「ミカ」
『あ、ナオ』
ナオのクラスはいつも終わるのが早いからあたしが終わるまで待っていてくれてる。
ナオは、あたしと一緒に下校してくれる。
「帰るか」
『うんっ!』
ナオがぐいっと強引に手を握る。
ナオにとったら手を繋ぐなんてことへっちゃらだろうけどあたしにとったら手を繋ぐなんてこと、恥ずかしくてドキドキする。
好きだと、実感する。
ふと、ユミの言葉を思い出した
…ほんとうは言いたいよ。
浮気しないで。
なんで他の子といるの?
好きって言って
お兄ちゃんとかいるの?
言いたいけど、言えない。
いや“言えない”ではなくて“言ってはいけない”んだ。